「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」を読みました。面白かった。

日本国民の10万人に1人の割合でしかいないらしい鳥類学者(本書「はじめに」より)

 

鳥類学者であり、国立研究開発法人森林総合研究所主任研究員の著者による、鳥さんと鳥類学者の生態(?)が書かれた一冊。

 

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

 

 

書評ブログで紹介されていて、

はじめの文章が引用されているのを読み、爆笑し、即買い。

 

真面目な事書いてあるのに、ちょいちょい川上さんのギャグがぶっ込まれていて、悶絶しました。

 

そもそも、「鳥類学者」という分野があるということを、初めて知った。

 

鳥類学について「人畜無害な分野」「実利が小さい」などと度々書かれてました。

 

じゃあ、無くてもいいのか?

実利のあるものだけ、役に立つものだけ、この世界に残っていけばいいのか?

うーん、効率的な気もするが、味気ない気もする。

世界を見渡してみると、どうやらそうはなっていないようだし。

 

「鳥類学ってこんなにスバラシイんです!」と押し付けることもなく、専門知識をひけらかすでもなく、

辛いこと、しんどいこと、失敗談、なども赤裸々に書かれていて、

鳥に関する知識がほぼ皆無な私でも、最後まで飽きずに読めました🐦

 

タイトルのインパクト大。

 

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

 

え、なに、何が書いてあんの!

って気になりますよ。

 

壮大な夢を持って情熱的に生きる姿はカッコよい。しかし、そんな夢を持つ主役級の人材なぞ現実にはほんの一握りである。主人公への視線は憧憬であって共感ではない。市井の大半は大それた夢もなく、妥協も織り込み現実的な範囲で楽しく過ごしている。だからこそ夢見る若者は主人公たり得るのだ。

(おわりに 217ページ)